タイムマシンなんて物は無い、と友人達は口々に言った。 あくまで、あれは漫画の中で青い狸人形達が出してくれる道具であり、現実に存在はしない、と言う。 それを裏付ける根拠は、と聞くと。 「だって、もしタイムマシンがあったらさ、未来の人がこの世界に来てるはずだろ?」 と言う。確かに、それは納得の行く答えかもしれない。僕もまだ、未来から来た人になんて、会った事も無い。 むしろ、実際に『私は未来から来ました』とか言われても、頭がおかしいんじゃないか、と僕は思うだろう。 ということは、僕には相手が未来から来たかなんてまず分らない、もしくは信じないのではないか。 しかし、それでいいのか? もしかしたら、未来人は僕達が気がつかないようにこの世界に暗躍してて。そして、何かやってるんじゃないか。 例えば、ありがちだがお金儲けとか。資源の少なくなった未来にとって、僕等の時代の資源は安く仕入れられて、 高く売れるんじゃないか。もしや、未来ではガス御殿とか、石炭御殿とか、そんなものが建つくらい資源が無いの ではないか? もしかして、未来は酷い戦争状態で、今の僕等の時代に非難してきてるのかもしれない。しかし、だったら言って あげたい。この時代は、日本人は馬鹿みたいに何事にも無関心な人が多くて、アメリカは戦争したがりな国ですよ、と。 日本じゃ、凶悪な少年犯罪が増えて、ロクでもない時代ですよ、と。 「いや、私の時代も大変ですよ? 下克上が怖くて、迂闊な行動が即命取りですよ」 へぇ、大変ですね。僕の時代は平和なのかな。 「そうだよ。 私の時代なんか、自然が無くて殺風景でねぇ。 この時代は見るところがあっていいね」 自然破壊も、そこまで進むと大変ですね。もっと自然は大切にしなきゃ駄目ですよ。 「この時代はいいねぇ」 誰だって、昔は良かったと思いますし、誰だって未来に希望を持ちますよ。でも、昔は戻ってきませんし、未来は すぐにはやってきませんよ。今の自分の時代をゆっくり生きていこうじゃありませんか。 ところで。 貴方達どなたですか? 「未来人です。 あ、こちらの方は戦国時代からお連れした武将さんの……」 分りました。とりあえず、バケツいっぱいの水をぶっかけますから、そこにいてくださいね。 言わなくても分ってますって。頭がお熱なんでしょう? 僕がバケツの水を持ってくると、既にそこには誰もいなかった。 とりあえず、バケツの水をかぶってみた。あぁ、頭がはっきりしてきた。何か、分った気がする。 「やっぱ、タイムマシンてあるんだな」 明日使える無駄知識が増えた気がした。とりあえず、今は溜まってたレポートをこなすの先決だな、うん。 とりあえず僕は、明日のレポートをタイムマシンより優先することにした。